品質工学的視点から
品質工学では「ばらつきの小ささ」と「目標値への近さ」が品質の指標です。教育に当てはめると:
- 現状の進路実績重視: 「最高値」や「上位層」を評価→一部の優秀な生徒の実績で学校全体を評価
- 品質工学的視点: 全生徒が一定水準に達しているか、落ちこぼれや極端な格差がないか
製造業で「100個中1個が素晴らしい製品で、残り99個は不良品」という工程は失敗とされます。教育も同じロジックなら、「少数の東大合格者」より「全生徒が基礎学力を確実に習得」の方が本来は評価されるべきかもしれません。
教育の特殊性も
教育には製品と異なる側面もあります:
- 生徒は「製品」ではなく、それぞれ異なる目標や可能性を持つ個人
- 多様性や個性の伸長も教育の重要な目的
- 画一化を過度に追求すると、突出した才能の育成が阻害される可能性
より良い評価指標は?
品質工学の発想を活かすなら:
- 入学時と卒業時の学力の「伸び」の平均と分散
- 基礎学力到達率(最低ラインをクリアした生徒の割合)
- 生徒の満足度や自己効力感のばらつき
こうした指標の方が、学校の「教育力」を測れるかもしれませんね。進路実績は「結果」の一部に過ぎず、教育プロセスの質を直接反映しないと思います。

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