❝なぜ中学以降になると“細分化”が強まり、
その結果、知識の統合は“個人任せ”になってしまうのか?
大人は全部自分で判断しなきゃいけないのに、
義務教育の段階で“全部をつなげて見る訓練”をしなくていいのか?❞
結論を先にいうと──
現行では「統合する力」は“個人に委ねられている”部分が大きい。
それは構造的な問題であり、意図した設計ではない。
- 小学校:統合的
- 中学校:分断的(教科ごと)
- 社会:再び統合的(複合問題だらけ)
→ この流れは教育の一番の断絶になっています。
① 学問構造が「縦割り」だから
中学校で教える内容は、大学の学問体系にもとづいています。
大学の学問は分野別(数学・物理・化学・歴史…)。
→ 中学校は、その学問体系の“入り口”を模倣しているに過ぎません。
② 教員免許制度が教科別
- 小学校免許:全科
- 中高免許:完全に教科ごと
つまり、制度側が「教科分断」を前提につくられているため、
学校の現場は「統合的に教えたい」と思っても、構造的に難しい。
③ “統合する授業”は専門家ほど難しい
たとえば「環境問題を扱う横断授業」をしようとしても、
- 数学の先生は“比例・グラフ”
- 理科の先生は“生態系”
- 社会の先生は“政策”
をそれぞれ深く知っているが、
横断して教えるトレーニングは受けていない。
結果:授業は分断的になり、生徒が自力でつなぐしかない。
ではどうすべきか?
🔷 案①:中学校も“ホームルーム担任が全科目を横断的に教える核”を作る
- メインは専門教員
- ただし「統合」を担う担任を配置
- 各教科のつながりを“翻訳”する役割
フィンランドの義務教育やIB教育はこの構造。
🔷 案②:“統合を指導する時間”を設ける
- 学生が「専門家の思考のつなげ方」を観察
- 模倣
- 徐々に自分でできるようになる
🔷 案③:“統合力の育成”を目標にすべき
「学ぶ側がつなぐ」ことを期待しているが、「教える側がつなぐ」を制度化すべき。

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