研究成果を正確に伝える科学論文は、単なる文章ではなく「論理」と「根拠」の構造です。本記事では、タイトルから結論までの各セクションの役割、よくあるミスと改善ポイント、読み手に伝わる表現技法まで、実例を交えてわかりやすく解説します。これから論文を書く人に押さえてほしい基本ルールを丁寧に紹介します。
はじめに
科学のレポートで最も大切なのは、内容が読み手に正確に伝達されることです。そのために読み手が誤解なく理解できるよう、順序立てて説明することです。得られた結果から、論理的に飛躍のない形で考察をのべることもオリジナリティとして大事なポイントです。
かつては、大学生になってはじめてレポートを書くというような形が主でした。最近は、学校の課題や探究活動でレポートを書く場面も増えてきているでしょう。そこで、レポートを書けるようになるための基本と考え方を解説します。
レポートの基本構成
かつて国語の時間には、文章構成は起承転結もしくは序論、本論、結論という2大構成を習ったと思います。
科学論文の場合は、後者、序論、本論、結論の派生形の形で以下の、共通した「型」があるということです。
基本的な対応関係
科学論文
- Introduction(イントロ/背景・目的)
- Methods(方法)
- Results(結果)
- Discussion(考察)
対応づけ
- 序論
→ Introduction
研究背景、先行研究、未解決点、研究目的を示す部分。 - 本論
→ Methods + Results
「何をどう調べたか(方法)」と「その結果何が得られたか(結果)」を、客観的に積み上げる部分。 - 結論
→ Discussion(+Conclusionが別立てならそこ)
結果の意味づけ、解釈、限界、今後の課題を述べる。
多くの論文では Discussion の最後が実質的な「結論」になっています。
注意点(重要)
- 科学論文の Discussion は「単なるまとめ」ではない
→ 結果をどう解釈できるか、何が言えて何が言えないかを書く部分。 - 日本語作文でいう「結論(主張を繰り返す)」よりも、
慎重で限定的な結論になるのが科学論文の特徴。
序論
序論は、「このレポートは何のためにあるのか」を示す部分です。ここが弱いと、後の内容がどれだけ良くても評価されにくくなります。
序論では、次の3段階を意識してください。
① 背景を書く
まず、一般的な説明から入ります。教科書レベルの話から既知ではあるが細かい部分に移っていきます。
例:植物の成長には、光・水・温度などが関係していることが知られている。
② まだ分かっていない点を示す
次に、「しかし、ここは明らかではない」という点を示します。この部分があることで「調べる意味」が生まれます。
例:しかし、光の強さの違いが、どの程度成長に影響するのかは十分に調べられていない。
③ 目的を書く
最後に、何を明らかにするために調査するのかの目的を書きます。
例:本研究では、光の強さが植物の成長に与える影響を調べることを目的とする。
方法
誰でも同じ実験・調査が再現できるよう意識します。そのために数字や条件を具体的に淡々と書きます。
- 使用した道具
- 条件(時間、回数、量など)
- 手順
良い例:
「1日に1回、各植物に20mLの水を与えた」
結果と考察は分離
「結果」は、観察や測定によって得られた客観的な事実を書きます。
観察で確認できた現象
実験で測定した数値
論文では、「事実」と「解釈」を明確に区別して書き分けるのが望ましいとされます。「結果」は、事実だけ、次章「考察」には、結果の解釈を書きます。
図や表を入れた場合、それに関する説明を本文中で必ず行なってください。
科学的な文章には、得られた事実と、それに基づく意見だけを述べ、心情的な要素は含みません。
| 項目 | 役割 | 記述する内容 | 性質 |
|---|---|---|---|
| 結果(Results) | 事実(データ)を提示する | 実験や調査で得られたデータ(数値、図、表など)を示す | 客観的な事実(過去形表現) |
| 考察(Discussion) | 結果に基づき論理を展開する | 結果のデータが示すことの解釈、そこから導かれる結論、他の研究との比較、研究の意義を議論する | 事実に基づく意見/論理的な解釈(論文に必須) |
結果の例:
12日後、光Aの植物は15cm、光Bの植物は9cmであった。
考察の例:
光Aの植物が大きく成長したのは、光量が多く光合成が活発だったためと考えられる。
パラグラフ(段落)の使い方
科学レポートで分かりやすくするコツは、パラグラフ(段落)の使い方です。
一つの段落では、一つの内容だけを扱います。話題が変わったら、必ず段落を変えます。
段落の始めに、その段落の内容を最もよく表す文章を置き、詳細を後に続く文章で説明する「大から小」が基本です。
段落をきちんと分けることで、
- 何について書いているのかが分かりやすくなる
- 論理の流れが見える
- 読み手が安心して読める
という効果があります。「内容が伝わるか」は、文章よりも段落構成で決まることが多いのです。
文章の書き方
論文の文章は、読者が理解しやすいように論理的に構成されなければなりません。
わかりやすい文章を書くためには、「一つの文章に一つの内容」を心がけ、長い文章は避けるべきです。
主語と述語を明確に
主語と述語の関係を明確にすることが非常に大切です。
表現の統一
論文やレポートの文体は、すべて「である」体で統一することが基本です。
数字で表す(客観的なデータの利用)
科学的文章では、事実を具体的に伝えるために、数値や図表が頻繁に使われます。
効果的なデータの示し方:
- 実験結果は図(グラフ)や表で示す
- 具体的な数値を記録する
- データをわかりやすく視覚化する
注意点:
「科学的である」ことは必ずしも「数字を扱うこと」だけを意味しません。数字を多用していても、論理に飛躍があったり、再現性がなかったりすれば、それは科学的とは言えません。
校正(推敲)のポイント
論文は、何度も内容を練り直して(推敲)完成させます。
自己チェック
論文がある程度仕上がったら、自分で読み返します。
チェックポイント:
- 漢字や言葉の間違いはないか
- 日本語としておかしいところはないか
- 論理が飛躍していないか
- 事実と意見が混同していないか
提出前の最終チェックリスト
論文を提出する前に、以下の項目を確認してください。
□ 内容の正確性
- 事実と意見が明確に区別されているか
- 結果の章に解釈や意見が混入していないか
- 考察の論理に飛躍がないか
□ 表現の適切性
- 「〜だと思う」「楽しかった」などの主観表現を使っていないか
- 文体は「である」調で統一されているか
- 主語と述語の関係が明確か
□ 構成の整合性
- 各段落で一つの内容のみを扱っているか
- 図表には本文中で言及しているか
- 引用文献は正しく記載されているか
□ 読みやすさ
- 一文が長すぎないか(目安:60字以内)
- 専門用語は初出時に説明しているか
- 他者に読んでもらい、フィードバックを得たか
まとめ:科学論文を書くときの心構え
基本原則(必ず守る):
- 客観性を保つ – 感想や主観を排除し、事実とデータに基づいて書く
- 論理的に考える – 結果から考察への流れに論理の飛躍がないようにする
- 明確に書く – 読者が理解しやすいように、短文で明確に書く
段階的な習得:
- 第1段階:事実と意見を区別できる
- 第2段階:結果と考察を正しく書き分けられる
- 第3段階:論理的な流れで説得力のある論文が書ける
最初は難しく感じるかもしれませんが、このガイドのルールを守って書き続けることで、論理的で説得力のある文章が書ける
※AI支援により記事を作成しています。

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