生態系と環境― 私たちは「自然の外」にいるのか ―S3-5-

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32. 生態系(生産者・消費者・分解者)

自然界では、役割の異なる生物たちが複雑に関わり合って「生態系」を作っています。

  • 生産者(植物など): 太陽光を使って、無機物(水や二酸化炭素)から有機物(栄養)を作り出す、ピラミッドの土台です。
  • 消費者(動物など): 生産者や他の動物を食べてエネルギーを得るグループです。
  • 分解者(菌類・細菌など): 生物の死がいや排出物を分解し、再び無機物に戻す役割を担います。

33. 食物連鎖と物質循環

生態系の中では、エネルギーと物質が絶えず循環しています。

  • 食物連鎖(食う・食われる): 食べる側と食べられる側のつながりです。実際には網目のように複雑に絡み合っているため「食物網(しょくもつもう)」とも呼ばれます。
  • 物質循環: 炭素や窒素などの物質は、生産・消費・分解のサイクルを通じて、自然界をぐるぐると回っています。
  • エネルギーの流れ: 物質と違い、エネルギーは循環しません。熱として外へ逃げていくため、常に太陽からのエネルギー供給が必要になります。

34. 外来生物と生態バランス

長い年月をかけて作られた地域のバランスは、非常にデリケートです。

  • 外来生物(外来種): もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって持ち込まれた生物です。
  • 生態系への影響: 天敵がいない場所で特定の外来種が爆発的に増えると、在来種が食べ尽くされたり、住みかを奪われたりして、数万年かけて築かれたバランスが崩壊してしまいます。

35. 持続可能な社会と生物資源

私たちは、生態系から「生態系サービス(水、食料、気候の安定など)」という恩恵を受けて生きています。

  • 生物資源の利用: 木材や水産資源など、自然が再生するスピードを超えて利用し続けると、資源は枯渇してしまいます。
  • 持続可能性(サステナビリティ): 将来の世代も同じように自然の恵みを受けられるよう、生態系の回復力を壊さない範囲で資源を利用する知恵が求められています。

この章のねらい

生態系は「自然の話」ではありません。
ここでは、生態系を「循環するシステム」として捉え直し、
人間活動がどこでそれを壊し、どこで守れるのかを理解します。


32. 生態系(生産・消費・分解)

なぜ重要か

生態系は、エネルギーと物質が循環する最小単位です。
この仕組みが止まると、食料も空気も土も維持できません。

基本構造

生態系は大きく3つの役割で成り立ちます。

役割主な担い手はたらき
生産者植物・藻類太陽エネルギーで有機物をつくる
消費者動物有機物を食べてエネルギーを得る
分解者細菌・菌類死骸や排泄物を分解し無機物に戻す

ポイント

  • 人間も消費者の一種
  • 分解者がいなければ、死骸は蓄積し、資源は再利用されない
    見えない存在(微生物)が生態系を支えている

33. 食物連鎖と物質循環

誤解されやすい点

「食物連鎖」は一直線ではありません。
実際は**網の目状(食物網)**です。

エネルギーと物質の違い

  • エネルギー:一方向(太陽 → 生物 → 熱として散逸)
  • 物質:循環する(炭素・窒素・水など)

重要な視点

  • 上位捕食者が消えると、下位が増えすぎてバランスが崩れる
  • 人間は「連鎖の外」ではなく、最大の攪乱要因

34. 外来生物と生態バランス

外来生物とは

人為的に、本来いなかった地域へ持ち込まれた生物。

問題の本質

外来生物そのものが「悪」なのではありません。

問題は:

  • 天敵がいない
  • 繁殖力が強い
  • 在来種が適応できない

具体例

  • ブラックバス → 在来魚の激減
  • セイタカアワダチソウ → 在来植物の衰退

教訓

生態系は長い時間で均衡が作られるシステム
→ 人為的な急変は、想定外の連鎖崩壊を起こす


35. 持続可能な社会と生物資源

生物資源とは

  • 食料
  • 木材
  • 漁業資源
  • 生態系サービス(受粉・水質浄化など)

持続可能性の条件

条件内容
再生速度使う量 ≤ 再生する量
多様性単一種依存を避ける
管理科学的データに基づく利用

人間社会との接続

  • 過剰漁獲 → 資源枯渇
  • 単一作物 → 病害リスク増大
  • 森林破壊 → 気候・水循環への影響

この章のまとめ(1つの視点)

人間は生態系を「利用している」のではなく、
生態系の一部として「依存している」

  • 生態系は壊れてもすぐには戻らない
  • 技術だけでは代替できない機能がある
  • 持続可能性とは「我慢」ではなく設計の問題

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