認知科学が教える最も効果的な学習法ー想起・反復・精緻ー

提言・オピニオン

最も効果的な学習法

理科は
「公式を教える教科」ではなく
「世界の見え方を更新する教科」

公式・用語は最後に自然に残る副産物

想起・反復・精緻はそのための最短ルート


■ 想起(思い出させる)

新しい説明の前に必ず入れる

例(中学理科)

  • 「水を温めるとどうなる?」
  • 「前回、ロウソクの炎はどこが一番熱かった?」

👉 板書前に口頭で答えさせる
👉 ノート不要、正誤不問


■ 精緻(なぜ?でつなぐ)

公式を“理由の連鎖”にする

例(対流)

なぜ炎は上に伸びる?
→ 温かい空気は?
→ なぜ軽くなる?
→ 分子はどうなる?

👉 「用語を言わせる」のではなく
👉 現象 → 理由 → 日常を結ぶ


■ 反復(時間をあけて戻る)

同じ概念を別の現象で

例(密度)

  • 1週目:ロウソクの炎(空気)
  • 3週目:熱気球
  • 2か月後:エアコンの冷風

👉 同じ公式は出さない
👉 同じ考え方だけ再登場


② 単元別例

● 物理(力・運動)

現象:急ブレーキで体が前に倒れる
想起:なぜ?
精緻:止まろうとしない性質=慣性
反復:バス・シートベルト・ジェットコースター

● 化学(物質・反応)

現象:鉄がさびる
想起:放置するとどうなる?
精緻:酸素・水・化学変化
反復:リンゴの変色/銅の緑青

● 生物(からだ・生態)

現象:運動すると息が切れる
想起:なぜ?
精緻:酸素・エネルギー・細胞呼吸
反復:魚のえら/高山で苦しい理由

● 地学(天気・宇宙)

現象:夕焼けは赤い
想起:昼と何が違う?
精緻:光の散乱・波長
反復:夕焼け/朝焼け/霧の中のライト

③ 授業1コマの最小テンプレ(45分)

① 想起(5分)
 前回の現象を思い出させる

② 現象提示(5分)
 実験・動画・実物

③ 精緻(15分)
 「なぜ?」を3回掘る

④ 確認想起(10分)
 説明させる・図で描かせる

⑤ 反復の種まき(10分)
 「次は○○でまた出てくる」


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