提言・オピニオン

提言・オピニオン

各県に存在する地方国立大学とはどんな学校なのか考えてみたい

大学の進学先を考えるとき、多くの人は偏差値や大学名を基準にする。しかし、その判断は「良い選択」なのだろうか。普通は大学に何度も入りなおす経験はない。4つの大学に在籍した経験を持つ筆者が、地味な地方国立大学の価値を語りたい。学力について地方国...
提言・オピニオン

人生において年齢とともに変わる感じ方の違いについて語りたい

はじめに子どものころは「なんにでもなれる気がする」そんな万能感があった。けれど大人になるにつれて、選択肢は少しずつ減っていく。仕事、家族、健康、親のこと。気がつくと、「まあ、人生ってこんなものか」と思いながら毎日を暮らしている。それでも、ど...
提言・オピニオン

学校で優秀だった人物が社会に出て必ず成功するのだろうか

試験で高得点を取る、複雑な問題を素早く解く。学校ではこうした知的能力の高さを評価する。しかし、学校で優秀だった人が社会的に成功するのだろうか?一人で完結する力1. 処理能力:IQが測る領域これは最も基礎的な知的能力だ。情報を速く正確に処理し...
提言・オピニオン

認知科学が教える最も効果的な学習法ー想起・反復・精緻ー

最も効果的な学習法理科は「公式を教える教科」ではなく「世界の見え方を更新する教科」。公式・用語は最後に自然に残る副産物。想起・反復・精緻はそのための最短ルート。■ 想起(思い出させる)新しい説明の前に必ず入れる例(中学理科)「水を温めるとど...
提言・オピニオン

高木仁三郎が目指した「市民科学」とは何だったのだろうか

「市民科学者」科学技術が社会に深く浸透した現代においては、市民自らが科学的知識と批判力を身につけ、判断主体となることが不可欠である。「市民科学者」という言葉を提唱した高木仁三郎は、学術研究を職業とする者から市民科学者となって特に原子力利用に...
提言・オピニオン

「地頭」はどこで作られるのか―義務教育の意味を問い直す

「平均的な社会人」とは、高校受験時に偏差値50程度だった人、つまり同学年のほぼ中央に位置する学力層とおそらくそんなに変わらない。テレビのニュースもこのくらいの理解力に設定していると思われる。私自身、比較的幅広い職種や領域で仕事をしてきたが、...
提言・オピニオン

親や地域の格差が子供の格差も生んでいるという構造的な問題について

親の学歴と居住地という二つの要因が、子どもの教育機会を大きく左右している。親の学歴が再生産されるメカニズム親が子どもに継承される現象は、遺伝的な能力の問題として語られることが多い。だが実態は、環境・資源・期待という三つの要素が複合的に作用し...
提言・オピニオン

「学びなおし本」で勉強するメリットってどんなところだろうか

「数時間で分かる」「大人のやりなおし」といった学びなおし本が書店に並んでいる。これらは本当に教科書の代わりになるのか。結論から言えば、両者は競合ではなく、目的と段階が違う道具である。学びなおし本――速さと動機学びなおし本の最大の強みは、全体...
提言・オピニオン

高度知識人をコミュニティの「知恵袋」として活用できたらと提言します

1. 問題提起日本社会には、博士号取得者や高度専門職など、高度な知識と汎用的な思考力を持ちながら、その力を十分に社会で活かしきれていない層が存在する。一方で、小規模企業人材・予算が限られた地方自治体学校現場(特に理科・探究・進路指導)医療・...
提言・オピニオン

戦後に平準化された学校が何故また序列化されたのだろうか

1. 戦前の複線教育戦前の日本の教育制度は、複数の進路が並行して存在する複線教育制度であった。義務教育である尋常小学校(6年)修了後、12歳前後という早い段階で進路が分岐し、その後は原則として別の線路へ乗り換えることが困難な構造になっていた...