レジリエンスのある人生観
AI の進化、仕事の自動化、気候変動、地政学リスク…。
未来は これまでの延長線では測れない“非連続”の変化(VUCA) に向かっています。
かつて価値があった「学歴」「資格」「安定した職業」「貨幣経済の優位性」でさえ、
今後 10〜20 年で大きく揺らぐ可能性があります。
- AIが能力の大半を代替
- 高度教育より「学び続ける力」へ価値が移動
- 資本主義の揺らぎ(ベーシックインカム化、資源価値の変動)
- 仕事 → 活動、生計 → 生態、というシフト
つまり、これまでの“レール型人生”は機能しなくなっていくということです。
◆ レジリエンスのある人生とは
「スキルよりも、“風が変わっても生きていける設計”を持つこと」
そこで重要になってくるのが、
変化そのものを受け流し、しなやかに軌道修正できる生き方。
ここに “イタリア的”世界観と “メキシコ漁師の話” が生きてきます。
イタリア的「マンジャーレ、カンターレ、アモーレ」の視点
イタリア人の価値観でよく言われる
- マンジャーレ(食べる)
- カンターレ(歌う=楽しむ)
- アモーレ(愛する=人との関係)
は、実は VUCA を生き抜くための本質的な生存戦略です。
AIが台頭し、貨幣経済が揺らぎ、職業が消える未来に残るものは何か?
答えはシンプルです。
→「生きることそのものを楽しむ力」と「人とのつながり」です。
◆ 「メキシコの漁師とMBAの話」に示される未来のスタイル
MBA取得者がメキシコの漁師に言います。
- 「もっと働いて船を増やし、会社にし、儲けて、最終的にはリタイアすれば自由に暮らせる」
漁師の返事はこうです。
- 「私は今、毎日家族とゆっくり食事して、友人と笑い、音楽を楽しんでいる。
その“自由な生活”を、もうすでに送っているよ」
将来の幻想のために今を犠牲にしない。
すでに自分の生活の中に豊かさを見つける。
1. 生産性より「生活の質」へ
仕事が減る=人間の価値が減る、ではなく
人間が“本来の活動”に戻っていくという転換。
2. 学歴より「学び続ける人」
AIは知識を無限に持つ。
人間は“問いを立て続ける力”で優位に立つ。
3. 貨幣経済の不安定さ → 多元的な豊かさ
貨幣だけでなく
- 地域性
- 技術(DIY、農的スキル)
- コミュニティ
- 創造性
といった“複数の豊かさ”を持つほどレジリエンスは高まる。
◆ まとめ
未来は予測以上に激しく変わるかもしれない。学歴も仕事も貨幣の価値さえも揺らぐかもしれない。
でもその中で残るのは、
- 人とのつながり
- 喜びを感じる感性
- 自分で自分の生活を作れる能力
- 学び続ける姿勢
- “すでに豊かだ”と気付ける心
という 人間らしさのコアです。これこそが レジリエンスのある人生 の本質です。

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